活動報告

石巻市の問題

祈望 石巻支部に送って頂いた物資です。各被災地の動ける方が受け取りに来られ、主に配給の行き渡らない車も流されてしまった自宅避難民の方々に配達されます。支援してくださった皆様、ありがとうございました。


自衛隊の方々の活躍で瓦礫は減りましたが…

南三陸町で搬送、視察を終え、石巻へ来ました。
支援物資を倉庫に下ろして、早速、祈望石巻支部長とミーティングを行いました。
石巻市でも今の復旧・復興の状況には様々な問題があります。

震災前に完了している公共事業の工事代金が、未だに石巻市から施工業者に支払われておらず、
更に義援金も全く支給されていないとのこと。
一方、役所の方々には、きちんと給料が支払われています。

被災地の経営者の方々は、いつまでも支払いを待っていることはできません。
被災された経営者の方々も、従業員の方々や材料屋さんにお金をお支払いしなくてはなりません。
「きちんと終わった工事代金を払ってください。」といくらお願いしても、もうすぐ払うの一点張りで、なかなかお支払いして頂けないそうです。

市民の生活も困窮しています。
家や車は津波で流されても、ローンは引かれていきます。
復興にお金がかかるからなのか、これからの予算が決まらないからなのか、行政からは何も明確にしてもらえないそうです。

震災から1ヶ月半が経ち、ようやく宮城県行政からパソコンが支給になったそうです。
何故パソコンがこんなに時間がかかるのか?
民間の方々が震災から10日後には、全国からパソコンを届けてくれたことを伝えると、「電気が復旧していないからパソコンはどうせ使えないと思った。」と…。

また行政が用意してくれた架設シャワーが、水道が復旧していない現在は川の水を使用するしかなく、そうすると川のゴミが目詰まりして使えないと分りました。
そこでみんなで協力して、拾ってきた器具でなんとか給湯器を接続して、川の水ですが、お風呂に入れるよう自作しました。
すると「この避難所だけ風呂が使えると、他の避難所と不公平が生じるため、解体するように」と行政から指摘されたそうです。

行政はこの緊急時に、なぜ体裁を気になさるのでしょうか。
たしかに自衛隊の方々や警察の方々、消防の方々の活躍により瓦礫はどんどん撤去されています。
彼らには、きちんと頑張られた分、お給料が支払われます。

しかし、同じように雨の日も風の日も、朝早くから暗くなるまで、クタクタになりながらも、例え報われなくても、無償で瓦礫を撤去し続けている民間の方々もたくさんいらっしゃいます。その方々には、給料が支払われることはありません。

公務員も民間も同じ人間です。
決して公務員の方々を否定しているわけではありません。
被災地では行政の方々も被災者です。
市民、町民を救うために最後まで職務を全うして、命を亡くされた方も多数います。
民間と協力して何とか地元を復興したいという方々もたくさんいます。
今は、強いリーダーの勇気ある決断力、行動力が求められているのです。

民間が善意で動けば動くほど国は助かっているはずだと思います。
そのことを真正面から受けとめて、復興と生活再建の後押しをしていただきたいと思います。
裕福な人など、ほんの一握りです。
被災者は限られた生活費の中から、自分にも何か出来ないか?と必死に考え行動しています。
その「心」がくじけないように少しでも後押ししていただきたいと願います。

避難所の皆さんはおっしゃっていました。
震災から数日間は、行政の対応に絶望感を抱いていたと。
でも、全国のたくさんの方々から心の詰まった支援物資が届きました。
私は伝票に貼られている送り主の住所を剥がさずに被災地の班長さんに託していました。
全国47都道府県から届く物資を前に、皆さんは勇気をもらったと涙ぐんでいました。

「あなたは、見捨てられていない!一人ではない!みんなが応援している!頑張ろう!」
被災地で消えそうだった希望の光が、全国の皆様の支えで、また輝こうとしているのです。

私は現在37歳ですが、宮城県の復興は20~30年、国の方針次第では破綻する自治体も出るのではないかと考えています。
私は被災地の皆さんが元気なうちに復興を成し遂げて、生活を再建させたいと願っています。
被災地の方々はこんなにも地元を愛し、目先の損得ではなく、またここで働きたいと心から願っているのです。

ライフラインが復旧していない被災地では、このホームページを見ることができません。
全国のたくさんの方々が応援してくださっていることもまだご存知ないでしょう。
たくさんの被災者の方々は、何も変わらないどん底の日々に希望を失いかけています。
県外では、宮城県の復興は順調に進んでいると思われがちですが、現実は厳しいものです。
正常に動き出したかに見える仙台市も二次被害、三次被害の経済停滞の波がじわじわと押し寄せています。
全国の皆様の善意とお力がまだまだ必要なのです。
どうか、被災地の方々の心に希望の光を照らし続けていただきたいと願います。
心よりお願い致します。

代表 金野


支援活動 | 3:52 PM

お問い合せ窓口 TEAM 祈望(きぼう)事務局:mailでのお問い合せはこちらから